出版社を経営する白鳥(プレイヤーキャラ)は、アメリカで社会現象にまでなったベストセラー「MUSE」を日本で翻訳・出版する契約のため、渡米する。 正体不明の覆面作家である「MUSE」の作者「M」は、白鳥の前に姿を現して、こう告げた。
「これから私が語る物語の結末を、悲劇に導いて下さい」
そして、「M」は歌い出す。 王と、奴隷娘と、塔に幽閉された詩人の、奇妙な恋物語を。
ゲームの目的は、いくつかの選択肢を「正しく」選んで、物語の結末を悲劇に導くこと。 枠物語幻想ノベル。
制作ツールはNスク、覆面作家の「M」から聞かされる話の中で選択肢を選び、 その結末を悲劇に導いていくという聞いただけで鬱気味な内容ですが興味をそそられDL。
主人公キャラの白鳥は双子兄妹で、最初にMへ会いに行くのをどちらにするかを選択するのですが シナリオが変わらないので完全に好みで選べます。 兄の方でずっとEDリストを埋めて、最後に妹で空いた一箇所を埋めました。 選択肢はそれほど多くなく、総当りでなんとかなる位の数。 1つを覗いてもれなく「M」の語る物語は悲劇で終わり、トゥルー以外は「悲劇を構成する要素が足りない」とのことでただのBAD ED扱いに。 悲劇に導かなければいけないお話の内容はギリシャ悲劇をモチーフにしたもので 聞かされる話もこれ1つのみ、というのがちょっと物足りないような。 気になったのがどちらの主人公を選んでも喋り方が同じで、 妹で話を読んだ時の違和感がちょっと…。 それ以外のテキストが簡易で読みやすい分尚更浮いている印象を受けました。 作者様があとがきで「男女でセリフを分岐させるのが面倒だった」とあるのですが それなら別に主人公選択を入れなくて良かったような気がします。 EDコンプ後に参考文献の紹介など細かいところまで書かれてあり、 作者様の好きな世界を作られたんだなあというのかよく伝わってくる一品でした。