塔の扉が静かに閉められる。
　間に合わなかった少女たち。係員に捕らえられ次々と檻の中へ。
　耳をつんざく金切り声。泣き喚く少女たち。逃げ惑う少女たち。
　でも次々と捕らえられて。
　間に合わなかった少女たち。次々と檻の中へ。

　どこへ行くのかは彼女らだけが知っている。何が起こるのかは彼女らだけが知っている。

　昔少女だったあなたはそれを眩しそうに見つめている。
　昔少女だったわたしはそれを眩しそうに見つめている。

　わたしとあなたが行ったのはどちらだったかしら。
　あなたとわたしが行ったのはどちらだったかしら。

　それはわたしだけが知っている。
　それはあなただけが知っている。

　手に手をとって。あなたとわたし。わたしとあなた。