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隔週刊 マジック☆ブック

 隔週刊 マジック☆ブック
 今まで物語の中でのお話に過ぎなかった魔法が簡単に使えます。
 毎号触媒付き。
 魔法の力の魅力をあらゆる角度から徹底詳説。
 偉大な魔法使いの写真やイラストが満載!
 キャンペーン中にお買い上げの方全員に美しい装飾を施した魔導書風バインダーをプレゼント。    
 第一号特集【恋の魔法】特別価格五百円。

 新しい雑誌のテレビCM。ええ? マホウ? 本の中や漫画や映画の中の中だけのお話じゃ無いの? 普通の人が使えるのかなぁ? 次の日学校へ行ったら女子は全員その話で物凄く盛り上がってた。そりゃそうだよね!
「ええ! あの本るみちゃん買ったんだ!」
「えへへ」
「わぁ見せて見せて」
 学校に本を持ってきたらいけないのになぁ。なんて思いながら私も皆に混じって本を覗き込んだの。漢字が一杯で難しくって何が書いてあるのかあんまりわかんない。るみちゃんは国語が得意だから読めるのかなぁ。いいなぁ。
「るみちゃんが好きな人って高橋君だよね?」
「……ウン……」
 え。るみちゃんの好きな子って高橋君なの? えええ? ちょっちょっと待って。
「こっ、この魔法って使うの難しいの?」
 思わず焦って聞いてみた。大好きな高橋君を取られるのは嫌だもん!
「うんとねー。魔法の材料が付録で付いててね、材料の使い方と呪文を間違わなかったら平気だよ」
「へー! すごーい!」
「るみちゃんが成功したら私も買おうかなぁ」
「何よそれー」
「私今月マンガ買っちゃったからお金全然無いんだよねー」

 教室を見渡すと男子はマンガやカードやおもちゃの話をしてる。るみちゃんの魔法の本には全然興味がなさそうだった。とっても面白そうなのに何でかなぁ。
「下らねー。大体魔法なんて使えるわけないだろー。女子はバカだなぁ」
 お調子者の高橋君が言ったの。こんな所が好きなんだよね。運動神経抜群でかっこいいし。
「るみちゃん、るみちゃん」 
 さとこちゃんがるみちゃんの背中をトントン押す。
 るみちゃんはうつむいて真っ赤になってる。
「そっそんなの使ってみなきゃ分からないもん!」
 ヤバイ。ヤバイよ。成功されたらとっても困る。私も高橋君の事が大好きなのに。(恥ずかしいから誰にも言った事は無いんだけどね)皆が高橋君とるみちゃんと話しているすきに本をパラパラとめくってみた。薄い本なんだけれど教科書よりもずっと文字が小さくてとってもとっても読み辛い。そうして習っていない漢字が多くって凄く難しい。何が書いてあるかあんまり分からない。るみちゃんって本当に偉いんだなぁ。

 注意!
 静かな場所で精神を集中してやりましょう。
 呪文が失敗すると相手に物凄く嫌われてしまう事になるので注意しましょう。
 
 えーと。途中で失敗したらダメになるんだね。
 るみちゃんの事は嫌いじゃないんだけどごめんね。
 放課後。下校時刻前。運動場にもほとんど誰もいない。教室を入り口のドアの窓からそーっと覗いたら窓とカーテンを全部閉め切った静かな教室の中にに一人ポツンとるみちゃんがいた。やっぱり思った通りだ。私が見た限り校舎にはもう誰も残っていなかった。外は暗くなり始めてる。もう少ししたら下校のお知らせの音楽が鳴り始める時間。早く帰らないとお母さんに怒られる。
 るみちゃんはすぅっと息を吸いこむと手に持っている何かを高橋君の机の上にパラパラとまいて、何かを描きはじめた。そうしてピタっと動きが止まって机に向かって手を伸ばして小さな声で何かを呟き始めた。
 るみちゃん、ごめんね。本当にごめんね。
 トイレの掃除用具入れから持ってきたバケツを廊下の壁に向かって思い切り蹴飛ばした。物凄く大きな音がした。ダッシュで階段を駆け下りる。そうして大急ぎで靴を履いてそのまんま裏門から家に帰った。るみちゃん、ごめんね。
 次の日、一日中るみちゃんは泣いていた。先生がどうしたの?と聞いても何も答えない。ずっとずっと泣いている。学校に来た時からずっとずっと泣いている。授業中も泣いている。休み時間に皆がどうしたの?って聞いてもやっぱり何も答えない。ずっとずっと泣いている。
「るみちゃん魔法、失敗したらしいね」
「やっぱり難しいんだよ。漢字が多かったし大人向けの本なんだよ」
 るみちゃんは本の注意書きに書いていた通り高橋君に物凄く嫌われてしまった。高橋君は誰とでも仲良く話すし意地悪なんて絶対にしないのにるみちゃんを無視するようになってしまった。通りすがりに何もしていないるみちゃんの事を思いっきり殴ったのにはビックリした。その時の高橋君の目は普通の目じゃ無かった。るみちゃんに意地悪する事で先生によく怒られるようになった。魔法って失敗したら怖いんだ。るみちゃんは泣き虫になった。るみちゃん、本当にごめんね。でもずっと泣いているのはうっとうしいなぁ。るみちゃんのそういう所は嫌いだなぁ。

 第ニ号特集【火の魔法】千五百円。

 お昼休みに運動場でかくれんぼをしようとじゃんけんをしていたら、
「今から火の魔法を使いまーす!」
「見たい人は集まってー!」
 六年生のお姉さんが運動場の真中で大声で叫んでいる。
 皆がぞろぞろ集まり始めている。一緒にいた友達皆と顔を見合わせて姉さんの方へ大急ぎで走って行ったんだけれど辿りつくのが遅かった。背の高い上の学年の人達が前にいたから思い切り背伸びをしても何も見え無くてつまんない。
「ね、教室に行こ」
 皆で大急ぎで教室へと走った。私のクラスは二階にあって窓が運動場の方を向いていてるから運動場の様子が良く見える。男子はあんまり興味無いのかドッヂボールやサッカーをしている。物凄く面白そうなんだけどなぁ。男子って魔法とか嫌いなのかなぁ?
「本当に使えるのかなぁ?」
「まさかぁ」
「でも本当に使えたら凄く無い?」
「凄い凄い!」
 お姉さんの友達が離れた場所に足でバツ印を描いている。あそこに火が届くのかな?
「じゃあやりまーす!」
「静かにして! 集中しないと駄目なんだからねッ」
 お姉さんの友達が大声で言う。

 お姉さんの身体はダイバクハツしちゃった。お姉さんの立っていた位置には赤黒い水たまり。
 バクハツに巻き込まれた人達がゴウゴウと燃えていて悲鳴をあげながら運動場を凄い速さで転げ回っている。何だか見た事が無い生き物みたいでとってもヘンなの。
 色んな所から悲鳴があがる。先生達が職員室から飛び出して来た。運動場中が大騒ぎになっている。
「うっわー! 今の見た?」
「音大きかったねぇ。」
「お姉さん死んじゃったのかなぁ?」
「まさかー」
「でも、お姉さんバクハツしたよ?」
「魔法って死ぬの?」
「まさかー」
「六年生の人でも難しいんだぁ」
「やっぱり大人向けの本なのかなぁ」

 後で靴を下駄箱に入れないで出しっぱなしにしていた事と上履きを履いていない事で一緒に遊んでいた友達全員先生に怒られたのは失敗だったなぁ。

 次の日から持ち物検査が厳しくなった。そうして朝の会で魔法の本を絶対に買ってはいけません。と先生に厳しく言われた。そうしてお父さんやお母さんに必ず読んで貰って下さい。とプリントを配られた。読んでみたら魔法の本についてだった。ビリビリに破いて下校途中川に捨てちゃったけどね。

 第十号特集【不老不死】二千五百円。
 
「ずっと子供のまんまでいられるんだよ?」
「うん」
「しかも死なないの!」
「うん」
「絶対に凄い!」
「うん」
「……でも高いんだよねぇ」
「……うん」
「でも買ったら先生に怒られない?」
「家で使うんだったらばれないよ」
「お母さんに見付かったら怒られるよ?」
「だからーこっそりやれば良いんだよ」

 貯金箱の蓋を開けて中身を全部出してみる。それに今月のお小遣いの残りを足してみる。全然足りない。でも、絶対に欲しい。嘘を付いたらいけないんだけれど、泥棒の始まりなんだけど、やっぱりどうしても欲しい。

「ねぇねぇお母さん。あのね、算数の参考書を買うからお金、ちょうだい」
 千円もくれた。
 ドキドキしながら本屋さんへ行く。本屋さんで入れてくれた袋を大事に抱えて大急ぎで家に帰って部屋に入って震える手で鍵を掛けた。そっと本を袋から取り出す。キラキラしたとっても綺麗な箱に入っている。中身は魔法に使う材料と薄い本。本は、るみちゃんに見せて貰ったのと一緒でとっても字が小さくて漢字が一杯で難しくって何が書いてあるかあんまり分からない。本棚から買って貰ったばっかりの辞書を取り出した。

「ねね、かずみちゃん。私あの本買っちゃった」
 ゆりちゃんが言う。チョッピリなぁんだ。と思っちゃった。
「あ! 私も買ったよ。昨日みゆきちゃんと一緒に買いに行ったの」
 くみこちゃんが言う。
「実は私も買ったんだよぉ」
 さとこちゃんが言う。
 高い本だから皆買えないと思っていたのになぁ。正直一寸皆に自慢したかったのになぁ。
 みゆきちゃんとは今まであんまり話をした事が無くて全然遊んだ事が無かったんだけど本を買った皆で全部の休み時間とお昼休みその話題で盛り上がったの。とっても楽しかったの。
「…………。あのねぇ……。実はね……。私、もう魔法使ったんだよぉ。…………へへへ」
 お昼休みにさとこちゃんが言った。
「ええ? 漢字が難しくなかった?」
 私はとってもビックリしたの。ゆりちゃんとくみこちゃんとみゆきちゃんもとってもビックリしている。だってさとこちゃんって国語がとっても苦手な筈なのに。
「えっとねぇ。難しい所は飛ばしちゃったー」
「出来たの?」
 ゆりちゃんが質問した。
「うん。魔法を使ったらねぇ、ミントのガムを噛んだ時みたいにスーっとするんだよぉ」
「へぇ!」
 
 私は毎日辞書を引いて難しい漢字を調べながら一寸づつ本を読み進めて行った。失敗したら何だか怖そうだったもん。

 注意!
 必ず手順を間違わないようにして下さい。
 必ず書いてある通りにして下さい。
 失敗すると大変な事になります。
 
 大変な事って何だろう。何だかとっても怖い。
 一週間位たってやっと全部読む事が出来たの。呪文も完全に暗記したの。
 魔法を使う時は必ず深夜十二時以降に行って下さい。って書いてあったのには少し困ったの。いつも十時位に寝てるから凄く眠くて辛かったけどお母さんに見付からないようにこっそりコーヒーを飲んで時間になるまで材料の使い方と呪文のページを何度も何度も繰り返し読んだの。時間が近付いて来る。ああ……とってもドキドキして来た!!!!!!

「なぁ、最近教室が何だか臭く無いか?」
「俺も思った。」
「ウン。そうだよねぇ」

「あら? 何だか変な臭いがしますね? 窓際の席の人、窓を開けて下さい」
 先生が行った。
 本当にヘンな臭いがする。何だか分からないけど何かが腐ったみたいな臭い。給食の時なんてホント最悪 ! オエッて感じなの。大好きなカレーも臭いのせいであんまり食べられなくってホント最悪! 一体何なんだろ。
 最近さとこちゃんがおかしい。動きが何だか他の皆と違ってギクシャクしていて身体の色がヘン。そうして顔中に大きくてヘンな形のブツブツがあって気持ち悪い。
「ねぇねぇ、さとこちゃん、大丈夫?」
「へ……へへへへへへいきだよぉぉぉぉぉ?急…………に……な……ななな……なんでぇ?」
 絶対にヘンな臭いはさとこちゃんからしているんだけれど誰もその事については何も言わない。
 ゆりちゃんとくみこちゃんとみゆきちゃんもとっくに魔法を使ったって言っていた。どうやら私が一番最後みたいだった。チョット悔しかったんだけれど我慢我慢。
「魔法、どうだった?」
 皆に聞いてみる。
「えっとねぇ、夜の十二時まで起きているのは私の家無理なんだよねぇ。ウチってお父さんがスッゴク厳しいんだ。だから夜の八時位にやっちゃんたけど大丈夫だよね? さとこちゃんが言ってたみたいにスーっとしたし」
 ゆりちゃんが答えたの。
「漢字が難しい所を一寸飛ばしちゃった。だって全然読めないんだもん」
 くみこちゃんが答えたの。
「後でビックリしたんだけどね、魔法の材料が二つ箱の中に残ってたんだー。やっぱマズかったかなー」
 みゆきちゃんが答えたの。
「だ……だだだだだ……大丈夫ぅだぁ……よぉ」
 急に物凄く臭くなったと思ったらいつの間にかさとこちゃんが近くに来ていた。
「ね……。さとこちゃん、顔色悪く無い? 保健室に行った方が良いよ……。」
「そうかなぁぁぁぁ? 私ぃぃぃぃ……はははははは……凄くぅぅぅぅぅぅ元気だよぉぉぉぉぉぉ。……。魔法を……使ってからぁぁぁぁ……なななな……な何だかずっと元気な感じなのぉぉぉぉぉぉ………。ままままま……魔法っててすごい……んんんんんだ……ねぇぇぇぇぇぇ……」
 さとこちゃんが何か言う度に何とも言えない物凄い臭いがする。顔のブツブツも気持ち悪い。ハッキリ言って吐きそう! 右の目玉が凄い速さでグルグル回っている。ヘンなの。
「そ、そうなんだ。わかった。さとこちゃん有難うね。じゃ、私達外で遊ぶからね」
 皆でさとこちゃんから離れようと急いで教室から出ようとしたの。
「まっ…………てぇぇぇぇ……遊ぶんなら一緒に遊ぼうよぉぉぉぉ…………ぉ」
 手と足がバラバラに動いてて絶対に何だかおかしいの。
 廊下の角を曲がったと同時に皆でダッシュした。 
「さとこちゃん、絶対おかしいよね?」
「うん。顔見た?」
「うん。……絶対何かヘンな病気になってるんだよ」
「病院へ行かなくて平気かなぁ」
「でも何であんなに臭いんだろ。オエッて感じじゃない?」
「……お風呂に入ってないんじゃ無いのかなぁ」

 国語の時間。
「はい、次さとこさん続きを読んで下さい」
「は…………はははは……い……」
 物凄い臭い。さとこちゃんが椅子から立ちあがった瞬間、さとこちゃんは急にブクブク音をたてながらドロドロに溶けてしまった。グシャリと嫌な音がする。濁ってて臭くってドブみたいな色のドロドロの塊。ピクリピクリと動いている。
「わぁーーーーッ!」
 さとこちゃんの隣の席の男子が大声をあげて椅子から転げ落ちた。
「はい! 皆さん静かに!一寸自習をしていて下さい」
 先生が大慌てで教室を出て行った。
「さ……さとこちゃん……と……溶けちゃったよ?」
「な……何だあれ。どうなってんだ?」
「僕にわかる訳無いだろッ……」
 誰かがげぇげぇ吐いている。
「ね……ねぇねぇさとこちゃん、大丈夫?」
 近くの席のまゆみちゃんが問い掛ける。まゆみちゃんって面白い。どうみても大丈夫じゃ無いと思うんだけどなぁ。
 溶けちゃったさとこちゃんはピクリピクリと動きながらゴボゴボ返事をする。ゴボゴボと音がする度にお風呂でおならをした時みたいに空気がパチンパチンと割れておならなんかとは全然比べ物にならない位とっても酷い臭いがする。
 でもさとこちゃんが死んだんじゃ無くって本当に良かった。不老不死の魔法って本当だったんだぁ。本当に凄いなぁ。
 しばらくしたら先生が教室へ戻って来た。
「はい!静かに。授業を続けます」
 誰かがげぇげぇ吐いている。
 放っておいて良いのかなぁ。さとこちゃんの臭いとゲロの臭いが混じってもうホント最悪!
 
 休み時間にさとこちゃんのお母さんとお父さんが四角い大きな缶を持ってやって来たの。溶けちゃったさとこちゃんをチリトリを使って丁寧に缶の中に積め込んで二人で大切そうに持って教室を出て行った。さとこちゃんのお母さんは泣いていた。

 さとこちゃんの塊があった場所にはもう何も無い。
 次の日からさとこちゃんは学校へ来なくなっちゃった。やっぱり病気で入院したのかなぁ?
 臭かった原因のさとこちゃんがいなくなった筈なのにやっぱり教室はヘンな臭いがするの。何でかなぁ。

 お昼休み。女子の皆でドッヂボールをしていた時に運動神経抜群のまゆみちゃんの投げたボールがゆりちゃんの顔にボールが見事命中!
「あ! ゴメン。」
 ゆりちゃんの首がボールの横にボトンと落ちたの。
「わぁ!」
「ボールと一緒位の大きさだね。」
 まゆみちゃんが言う。皆でゲラゲラ笑ったの。やっぱりまゆみちゃんって面白い。ゆりちゃんの頭と身体を皆で教室まで運んだの。ゆりちゃんは小さくて痩せているからとっても軽い。羨ましいなぁ。頭をまゆみちゃんと協力して首に元通りに乗せてセロテープをいっぱいぐるぐる巻いて止めたの。
「これで大丈夫かなぁ?」
 ヒューヒューとゆりちゃんが返事をする。
「うーん。チョット無理みたい。ガムテープがあれば良いんだけどなぁ。先生の机の引き出しの中には無いみたい」
 ヒューヒューとゆりちゃんが返事をする。
「あんまり綺麗にくっついて無いから絶対に下を向いちゃ駄目だよ」
 ヒューヒューとゆりちゃんが返事をする。
 
 くみこちゃんが学校に来なくなった。先生は理由を教えてくれなかった。
 みゆきちゃんからお昼休みに相談を受けた。
「わ……私も皆みたいになっちゃうのかなぁ……」
 今にも泣きそうだった。
「でも死なないんだから平気じゃない?」
「でも、臭くなるしヘンになるし」
「でも死なないんだから平気だよ?」
「…………。かずみちゃんのバカ! もう良いッ!」
 みゆきちゃんの右の目玉がピクリピクリと動いている。みゆきちゃんは何だか怒っているようだった。何でかなぁ。しかもバカって……。ひどいよ……。
 私は平気。辞書を引いて難しい漢字や言葉もちゃんと調べたし時間も守ったし魔法の材料も本に書いてある通り使ったし。本当に頑張ってやったんだよ。
 だって、ずっとずっと子供のまんまでいたいもん。そうしたらお父さんもお母さんもずっと優しくしてくれるし、お年玉だってずっと貰えるもん。
 でも最近一寸ヘンなの。手の先と足の先の感覚が無いの。エンピツで思い切り突き刺しても全然痛く無いの。体が何だか自分の体じゃ無いみたいだし。あんまり上手に動かせなくなって来た。これって不老不死の効果なのかなぁ。

 第11号特集【光の魔法】千五百円。

 お詫びと訂正
 第十号特集【不老不死】において呪文の一部に誤りがありました。読者及び関係者の方には謹んでお詫びを申し上げます。尚、すでに使用してしまった方には幸運のペンダントをプレゼント致します。第十号の外箱のバーコードの部分を切り取って弊社までお送り下さい。送料はペンダントと一緒に返却致します。

トラベルミン