羽根をもがれた蝶々達が弱弱しく地面を這い回っている。
ブチン。
又一匹羽根をもがれた蝶々が増える。
ブチン。
ブチン。
ブチン。
大きな瓶の中には色とりどりの蝶の羽根。
ブチン。
ブチン。
ブチン。
羽根をもがれた蝶々は醜いね。醜いね。醜いね。まるで別の生き物みたいだね。
ブチン。
そうして又一匹。
痛いのは嫌?
僕?
僕は平気。
母さんに両腕を折られた事があるよ。
父さんにお腹を何度も蹴られてお腹の中が変になった事があるよ。
姉さんに熱湯をお湯を掛けられた事があるよ。
でもそんな事はどうでも良いね。どうだって良い事だね。
ブチン。
ブチン。
ブチン。
痛いのは平気。
痛いのは平気。
痛いのは平気。
瓶の中には綺麗な物が一杯。
瓶の中には綺麗な物が一杯。
瓶の中には綺麗な物が一杯。
綺麗な物は好き?
僕は好き。
羽根をもがれた蝶々は醜いね。醜いね。醜いね。まるで別の生き物みたいだね。
醜いものは嫌い。
醜いものは嫌い。
醜いものは嫌い。
蟻だよ。
蟻が羽根をもがれた蝶を生きたまんま巣に運んでいる。
生きたまんま食われるのかな?
生きたまんま食われるのってどんな気持ちなんだろう。
一体どんな気持ちなのかな?
一体どんな気持ちなんだろう?
分かる?ねぇ?分かる?
残酷?どういう意味か分からない。
別にどういう意味か知ろうとも思わない。
ブチン。
瓶の中には綺麗な物が一杯。
この瓶が綺麗な物で一杯になったらどうするかって?
まだ一杯になっていないから分からない。
ブチン。
ブチン。
ブチン。
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